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はじめに
脳性麻痺の治療法の進歩あるいはその比較には評価方法の確立が必要である.しかし,それは必ずしも容易ではない.AACPもこの点に深い関心を示し,評価委員会を作った.その委員の1人Woodsの示した案は,①要約,②全.体の経過を示すグラフ,③小児科医用の病歴と検査,④次の分野でのアセスメントチャートであった.(a)神経学,(b)整形外科,(c)スピーチ,(d)耳鼻科,(e)精神科.
1961年Viennaで開かれたWorld Commission on Cerebral Palsyは(1)脳性麻痺の治療経験の交流,(2)各治療法の客観的評価法の可能性,(3)現行治療法の共同研究による評価の可能性の探求を目的とした.15力国35名の著明な学者が討議に参加したが,結果は脳性麻痺のアセスメントの統一(uniformity)の困難を改めて認識したにとどまった.参加者の1人Hume Kendall1)はこの問題にまったく具体的な提案(no concrete suggestions)がなされなかったのでゼミナーは失敗であったと述べている.
Wolf2)はこれまでの脳性麻痺評価に関する文献を調査し,次の4つに分類した.
(1)日常動作skills(熟練動作)を測定するもの.
(2)Gesellの運動発達表(developmental schedules)に基礎をおき,運動機能を数値または指数で表わすもの.
(3)背景の神経学的障害(neurological deficits)を測定するもの.
(4)上記3者をある程度併用したもの.
評価法を上記の順序に従って述べるが,各評価法ともある程度Gesellの発達表や神経学的評価をミックスしているので(4)は省略し,その代わりに整形外科的治療の評価を入れることにする.またそれに先立って評価方法そのものについて述べ,また評価法の基盤を提供しているGesellの発達について簡単に触れることは無駄ではないと思われる.
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