集中講座 評価法の使い方 シリーズ1 総論②・第3回
運動麻痺
田口 周
1
,
長谷 公隆
1
Meguru Taguchi
1
,
Kimitaka Hase
1
1関西医科大学リハビリテーション医学講座
キーワード:
評価法
,
運動麻痺
Keyword:
評価法
,
運動麻痺
pp.277-280
発行日 2020年3月10日
Published Date 2020/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201905
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運動麻痺は,運動皮質からの運動指令が筋肉に伝達されないことで起こる代表的な機能障害である.リハビリテーション治療は,その回復過程に応じて展開する必要があることから,原因となる疾患の特性に応じた評価法が必要となる.臨床的には,治療方針を決定するうえで運動麻痺の重症度を反映し,その回復がどの程度見込まれるかといった予後評価に役立つ尺度が有用である一方で,研究では,リハビリテーション実施前後など時間的に異なる2点で評価した際の変化量を感度よく同定できる評価法が求められる.また,他に求められる要素として,同一検者が評価を繰り返した場合に一貫した結果が得られるか(検者内信頼性),検者が異なる場合でも一貫した結果が得られるか(検者間信頼性),評価したい機能をその評価法が真に反映しているか(妥当性)などが挙げられ,評価法を選択する際にはこれらを考慮することも重要である.
さらに,わが国で広く使用されている評価法が,必ずしも国際的に広く使用されていない場合があり,国外に向けて臨床実績および研究成果を報告する際に留意しなくてはならない.
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