Japanese
English
特集 評価Ⅱ
障害者の職能評価への試み
Test for New Method of the Handicapped's Vocational Assessment.
前野 進
1
Susumu Maeno
1
1東京都総合技能開発研修所
1Technical Skill Development and Training Institute, Tokyo Metropolitan Government.
キーワード:
職能評価
,
職能構成
,
科学的評価法
Keyword:
職能評価
,
職能構成
,
科学的評価法
pp.738-744
発行日 1975年9月10日
Published Date 1975/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103398
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Ⅰ.はじめに
障害者の職業的リハビリテーションの必要性が叫ばれてきた背景には,種々の原因はあろうが,要約すれば,障害者が人間として人間らしい生活を営なむ欲求に基づくことに他ならない.それは誰でもが経済的生活安定の手段として,あるいは人間生活での「生きがい」追求の方法として,職業を持ちたいということとまったく同じであって当然といえる.この場合,障害者が望む就業とは,必ずしも社会における一般企業への雇用のみを意味するものではなく,きわめて幅広い範囲の就労を指しているものと思われる.障害者がその能力に応じて一般雇用,自家営業,家庭内職あるいは庇護雇用等をそれぞれ選択することは自由であるが,少なくとも集団社会における職業である以上,
(1)その就業行為が,集団社会において何らかの価値を持っている
(2)その行為によって何らかの反対給付(報酬または給与等)が得られ,その給付が生活の主要な経済源として位置づけられる
などのことが満たされなければならないと考えられる.このことが従来から職業的リハビリテーションの範囲や就労形態あるいは,職能評価をめぐって,関係者の間に異論のある処であろう.しかし障害者の就労が,障害者自身の力で,自らの生活維持と生活に喜びを得ようとする努力によって築かれることを考えるとき,職業的リハビリテーションの人口問題あるいは出口問題としての職能評価の重要性を関係者の一員として,感じないわけにはいかない.
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