Japanese
English
研究と報告
脳性麻痺における筋緊張の加齢的変化に関する誘発筋電図学的考察
Evoked Electromyographical Study on Developmental Changes of Muscle Tonus in Cerebral Palsy.
黒坂 ふみよ
1
,
黒坂 武司
1
,
紺野 勉
1
Fumiyo Kurosaka
1
,
Takeshi Kurosaka
1
,
Tsutomu Konno
1
1聖ヨゼフ病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, St. Joseph Hospital, Yokosuka.
キーワード:
脳性麻痺
,
H波頻度抑制曲線
Keyword:
脳性麻痺
,
H波頻度抑制曲線
pp.627-632
発行日 1984年8月10日
Published Date 1984/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105224
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まえがき
脳性麻痺の超早期治療の必要性が叫ばれる今日,早期診断は重要な鍵となる.しかし脳神経系の発育の未熟な小児においては,症状は加齢とともに変化を示すため,臨床経験をかなり積んだものにとっても早期の診断は決してたやすいものではない1,11).それ故客観的な診断,病型分類が必要となる.また,脳性麻痺の理学療法においてはBobath法4)ならびにVojta法22)が今日主流をなしているが,これらはいずれも上肢と下肢との身体の各部が運動に際して相互に関係を有していることを利用している.しかしこれらの相互の関係については未だ充分に解明されておらず,症状改善のメカニズムも未知の部分が多い.
著者はこれまでに,6年間にわたって誘発筋電図法をもちいて,脳性麻痺患者について病型分類,姿勢の変化,振動刺激の影響等について検討を行ってきた12,13).
今回これらの検査を行った症例を追跡調査を行い,誘発筋電図法による早期診断の可能性について検討を試みると同時に,加齢的な変化についても調査を行った.
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