Japanese
English
研究と報告
Duchenne型筋ジストロフィーにおける反復唾液嚥下テストの有用性に関する検討
Screening for swallowing disorder in patients with Duchenne muscular dystrophy using repetitive saliva swallowing test(RSST).
池澤 真紀
1
,
川上 途行
1
,
千葉 康弘
1
,
花山 耕三
2
,
伊藤 有紀
1
,
伊藤 美幸
1
,
大塚 友吉
1
Maki Ikezawa
1
,
Michiyuki Kawakami
1
,
Yasuhiro Chiba
1
,
Kozo Hanayama
2
,
Aki Ito
1
,
Miyuki Ito
1
,
Tomoyoshi Otsuka
1
1独立行政法人国立病院機構東埼玉病院リハビリテーション科
2東海大学医学部専門診療学系リハビリテーション科学
1Department of Rehabilitation, NHO Higashi-Saitama National Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, Tokai University School of Medicine
キーワード:
Duchenne型筋ジストロフィー
,
嚥下障害
,
反復唾液嚥下テスト
,
嚥下造影検査
,
スクリーニング検査
Keyword:
Duchenne型筋ジストロフィー
,
嚥下障害
,
反復唾液嚥下テスト
,
嚥下造影検査
,
スクリーニング検査
pp.157-161
発行日 2012年2月10日
Published Date 2012/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102372
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要旨:Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)患者では学齢期から嚥下障害が出現し,嚥下造影検査(VF)で咽頭残留,舌骨・喉頭の移動範囲低下が頻発するが,誤嚥は稀であることが特徴とされる.しかし,DMD患者の嚥下スクリーニング検査に関する研究はわれわれの渉猟した限りではなく,主に脳血管障害患者を対象とした反復唾液嚥下テスト(RSST)をスクリーニング検査として用いることが多いことから,DMD患者におけるRSSTの有用性について検討した.経口摂取しているDMD患者39例を対象とし,RSST実施時の1横指以下を含む喉頭挙上回数とVF上の誤嚥所見の有無および咽頭残留量との関係について検討したところ,RSST 3回未満の症例は咽頭残留量が有意に多く,1横指以下の喉頭挙上は咽頭クリアランスに有効ではなかった.誤嚥所見は認められなかった.DMD患者に対してRSSTを実施することは,少なくとも咽頭残留の有無の予測には有用であると考えられた.
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