Japanese
English
症例報告
眼球運動障害に迷路性眼球反射促通法と両眼注視訓練が著効した外傷性脳損傷の1例
Facilitation exercise using the vestibulo-ocular reflex and binocular-gaze training improved an ophthalmoplegia in a patient with traumatic brain injury.
溜 いずみ
1
,
野間 知一
1
,
海 唯子
1
,
緒方 敦子
2
,
下堂薗 恵
2
,
川平 和美
2
Izumi Tamari
1
,
Tomokazu Noma
1
,
Yuiko Kai
1
,
Atsuko Ogata
2
,
Megumi Shimodozono
2
,
Kazumi Kawahira
2
1鹿児島大学病院霧島リハビリテーションセンター
2鹿児島大学大学院医歯学総合研究科リハビリテーション医学
1Kagoshima University Hospital Kirishima Rehabilitation Center
2Department of Rehabilitation and Physical Medicine, Kagoshima University Graduate School of Medical and Dental Sciences
キーワード:
複視
,
眼球運動
,
迷路性眼球反射
Keyword:
複視
,
眼球運動
,
迷路性眼球反射
pp.695-699
発行日 2011年7月10日
Published Date 2011/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102141
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はじめに
外眼筋麻痺や複視は,日常生活や机上の作業療法の課題を行ううえで患者に大きな負担や不快感を与えるため,治療の内容や量に大きな制約を与える.これらに対する治療は,リハビリテーション開始時には自然回復を期待して複視による不快感軽減のための片眼遮蔽やプリズム眼鏡が用いられ,自然回復が期待できなくなった時期に外眼筋への外科手術,ボツリヌス毒素注射などが行われている.また,川口ら1)は輻輳を用いた訓練が有効であったMLF(medial longitudinal fasciculus)症候群の1例を報告し,川平ら2,3)は迷路性眼球反射を用いた迷路性眼球反射促通法の効果を報告している.
今回,迷路性眼球反射促通法による外眼筋麻痺改善後も残存した両眼視機能障害に対して,視野遮蔽率可変装置や輻輳を用いた両眼注視訓練を行い,両眼視機能が改善した外傷性脳損傷の1例を経験したので報告する.
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