連載 新しいリハビリテーションの取り組み紹介
脳卒中に対する音楽療法
藤本 幹雄
1
1総合病院国保旭中央病院リハビリテーション科
キーワード:
脳卒中
,
音楽療法
Keyword:
脳卒中
,
音楽療法
pp.701-703
発行日 2011年7月10日
Published Date 2011/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102143
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
脳卒中を含む脳損傷や神経系の障害に対する神経学的音楽療法(neurologic music therapy;NMT)は1990年代後半から体系化されてきた1).NMTは,感覚運動リハビリテーション,発話言語リハビリテーション,認知リハビリテーションの3分野に分かれており,その3分野のなかに19の技法があるとされる(表)1).これらのすべてが十分に確立されてはいないが,脳卒中やパーキンソン病の患者に対する一部のアプローチについてはエビデンスが蓄積されてきている.本邦においても運動失語に対して,音階を手掛かりとして表出を助けるメロディック・イントネーション療法(MIT)2-4)については詳しく報告されてきた.
本稿では,脳卒中患者に対するMIT以外の実用的な音楽療法として,リズム刺激を用いて片麻痺の歩容を改善することを目的とした聴覚リズム刺激(RAS),動作の間の取り方のパターンを改善することを目的にメロディを用いて一連の動作を誘導するパターン的感覚強化(PSE)について解説する.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.