Japanese
English
実践講座 障害者の加齢に伴う問題と対策・4
頸髄損傷
Clinical problems of cervical spinal cord injury patients with aging.
富永 俊克
1
Toshikatsu Tominaga
1
1山口労災病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Yamaguchi Rosai Hospital
キーワード:
高齢頸髄損傷者
,
高齢化
,
合併症
Keyword:
高齢頸髄損傷者
,
高齢化
,
合併症
pp.331-337
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101487
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
頸髄損傷者と高齢化のテーマには,大きく2つの課題がある.一つは高齢者で頸髄損傷となった人の問題であり,もう一つは頸髄損傷者が高齢になるという問題である.
われわれは,先進国のなかでも他に類をみない急速な超高齢化社会に生きている.そのうえ,昨年のリーマンショック以来,猛烈な景気後退が始まっており,日々の生活面でも格差の問題が深刻化している.このことは,われわれが高齢者や障害者とともにグローバルな社会のなかに生きているということ,さらに,経済生活の基盤は安定しておらず,環境,政治,社会経済などの複雑な課題がわれわれの生活と切り離せないことも実感させられる.
本稿では,このような時代背景のもとで,高齢になって頸髄損傷を受傷した例の臨床的特徴を明らかにしたい.さらに頸髄損傷者の高齢化の問題に関して,脊髄損傷者に特有の合併症の病態とその予防やケアについて,在宅復帰までを含む包括的な視点で捉えてみたい.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.