Japanese
English
特集 リハビリテーション医学における疫学
脊髄損傷
Epidemiology of spinal cord injury.
真柄 彰
1
,
豊永 敏宏
2
,
内田 竜生
3
,
住田 幹男
4
,
徳弘 昭博
5
,
富永 俊克
6
,
元田 英一
7
Akira Magara
1
,
Toshihiro Toyonaga
2
,
Ryusei Uchida
3
,
Mikio Sumida
4
,
Akihiro Tokuhiro
5
,
Toshikatsu Tominaga
6
,
Eiichi Genda
7
1燕労災病院リハビリテーション科
2九州労災病院リハビリテーション科
3関東労災病院リハビリテーション科
4関西労災病院リハビリテーション科
5吉備高原医療リハビリテーションセンター
6山口労災病院リハビリテーション科
7労災リハビリテーション工学センター
1Department of Rehabilitation Medicine, Tsubame Rosai Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, Kyushu Rosai Hospital
3Department of Rehabilitation Medicine, Kanto Rosai Hospital
4Department of Rehabilitation Medicine, Kansai Rosai Hospital
5Kibikogen Rhabilitation Center for Employment Injuries
6Department of Rehabilitation Medicine, Yamaguchi Rosai Hospital
7Rosai Rehabilitation Engineering Center
キーワード:
脊髄損傷
,
疫学
,
データベース
Keyword:
脊髄損傷
,
疫学
,
データベース
pp.29-34
発行日 2004年1月10日
Published Date 2004/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100524
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はじめに
全国労災病院リハビリテーション科が運営している脊髄損傷(以下,脊損)データベースの分析結果に基づいて,外傷性脊損の疫学について述べる.
労災病院では過去に,多くの脊損の疫学的調査研究を行ってきており,当科でも独自に1980年頃から脊損データベース構築に取り組んできた1-4).
全国労災病院で統一データベースを作製し,全国的調査を行うため1992年にフォーマットを作製し,第1次調査(1992~1993,主任:住田幹男)を開始した5-7).第2次調査(1994~1996,主任:富永俊克)では,国際比較のためInternational Standard of Spinal Cord Injury1996年版を取り入れた8).米国の国家的運営による脊損統計センターの分析報告“Spinal Cord Injury”9)を研究し,第3次調査(1997~2000,主任:徳弘昭博)10)では,米国脊損統計センターの日本版を目指し,労災リハビリテーション工学センターに全国労災病院脊損統計センターを設置した.この集積データを分担し,米国データと比較しながら分析を行い,「脊髄損傷のoutcome―日米のデータベースより―」として報告した11).本稿はこの内容に準拠して脊損の疫学を述べる.
今回,新たに疫学を検討するために分析した項目については,データとして第3次調査627例を用いた.分析項目によりデータの欠損がある場合は除外して分析した.比較対象データとして,米国脊損統計センターの1973~1994年,14,791例を用いた15).
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