Japanese
English
特集 四肢麻痺のリハビリテーション
頸髄損傷の早期観血療法とリハビリテーション
Early Vertebral Body Fusion and Rehabilitation for Patients with Cervical Cord Injuries.
小野 美栄
1
,
石川 芳光
1
Yoshiharu Ono
1
,
Yoshimitsu Ishikawa
1
1千葉労災病院
1Chiba Rosai Hospital.
キーワード:
頸髄損傷
,
初期治療
,
観血療法
,
合併症
,
リハビリテーション
Keyword:
頸髄損傷
,
初期治療
,
観血療法
,
合併症
,
リハビリテーション
pp.529-535
発行日 1974年8月10日
Published Date 1974/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103169
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はじめに
頚髄損傷は重篤な全身性疾患であり,四肢の機能障害にとどまらず,呼吸器,消化器,泌尿器等全身に及ぶ障害を持ち,ためにその治療は困難を極める.しかしながら損傷脊髄の再建をいまだ達成し得ない現在その治療方針は脊髄に対する二次的損傷を防ぎ,同時に種々の合併症を予防し,いかにして早期に社会復帰を達成するかということにつきる.この意味で頸髄損傷患者の初期治療の適否はその予後を大きく左右するものであろう.従来頸髄損傷患者の初期治療としては頭蓋直達牽引による頸椎脱臼整復,固定を行う保存的療法が多く用いられてきたが,一方手術的に脱臼を整復し,同時に内固定を行う観血的療法も近年多く行われている1~4).筆者らは過去8年来頸髄損傷患者に対し前方より侵入し頸椎椎体固定を行う初期治療を一貫して実施しており,受傷後1週間以内に手術を行った早期手術例は20例,それ以後の時期に手術した症例も含めると56例に達した.今回は早期手術例を中心に,手術適応,成績,全身管理等の初期治療について述べ,同時に合併症,リハビリテーションについても言及したい.
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