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研究と報告
高齢者における運動予測と実際の運動の違いと転倒との関係―3種類の空間的予測課題と1種類の時間的予測課題を用いての分析
Relationship between falling and the difference between motor prediction and actual motor performance among elderly people.
小川 真寛
1
,
宮口 英樹
1
,
木下 遥
1
,
爲近 岳夫
1
,
村上 恒二
2
Masahiro Ogawa
1
,
Hideki Miyaguchi
1
,
Haruka Kinoshita
1
,
Takeo Tamechika
1
,
Tsuneji Murakami
2
1広島大学大学院保健学研究科
2広島市総合リハビリテーションセンター
1Graduate School of Health Sciences, Hiroshima University
2Hiroshima City General Rehabilitation Center
キーワード:
高齢者
,
転倒
,
運動予測差異
Keyword:
高齢者
,
転倒
,
運動予測差異
pp.339-346
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101488
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要旨:近年,加齢に伴う運動能力の低下だけでなく,運動の予測能力の低下も,高齢者の転倒の原因として注目され始めている.本研究は,運動予測の課題として,3種類の空間的予測課題と1種類の時間的予測課題のなかで,どの課題の運動予測差異が高齢者の転倒と関係が強いかを調べることを目的として行った.さらに,それぞれの運動予測差異の課題間における相関関係を調べた.その結果,転倒には時間的予測課題である全力5m歩行の運動予測差異が最も強く関係していたこと,そして,全力5m歩行の運動予測差異は,その他の3種類の空間的予測課題と相関関係がないことが明らかとなった.このことから,時間的予測課題と空間的予測課題は独立した課題であり,時間的予測課題の全力5m歩行の運動予測課題が高齢者の転倒をより予測できるツールとして有用性が高いことが考えられる.
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