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編集後記
金谷 さとみ
pp.1048
発行日 2021年9月15日
Published Date 2021/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202442
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COVID-19感染拡大の非常事態,その間の医療現場は苦悩の連続でした.入院患者を抱えながら感染者を受け入れる枠をつくり,院内感染を防ぎながら医療や介護を提供する難しさは今も続いています.しかし,この経験は新しいかたちの院内連携を生み,今までにはない全職員のチームワークをより強固にした出来事でもありました.
2019年のラグビーワールドカップで日本代表が活躍した際に,国を超えたメンバーがチーム一丸となって戦うために掲げたスローガンが「ワンチーム」でした.1人の患者のためにさまざまな職種が究極の連携を図る医療現場も同じではないでしょうか.実は,かなり昔から連携を重んじカンファレンスなどを積極的に実施してきたのはリハビリテーション部門だったのです.本特集は,チーム医療のなかで理学療法士が他職種といかにコラボレーションするかという企画で,可能な限り具体的に論じていただきました.神戸先生からは,長くリハビリテーション部門を管理した経験をもとにチーム医療の基本を解説いただき,組織を幅広く捉えた重みのある内容です.次に転倒予防チームとした訳は,転倒予防に関しては理学療法士がスペシャルな立場にあると考えたためで,井上先生がスマートに論じておられます.對東先生は高度急性期医療チームについてわかりやすく述べています.また,非常に近い2つの専門チームとして,脇野先生は栄養サポートチームを,戸渡先生は摂食・嚥下チームを論じており,比較すると興味深いです.鵜澤先生の呼吸ケアサポートチーム,村岡先生の緩和ケアチーム,安原先生の認知症ケアチーム,いずれの論文もコラボレーションの様子がよく見える具体的な内容です.
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