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編集後記
金谷 さとみ
pp.1492
発行日 2020年12月15日
Published Date 2020/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202163
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今年はCOVID-19の影響により世界各地の社会・経済が大きく変化した年でした.その猛威は生活様式や仕事のスタイルを変え,オリンピックをも延期としました.そして私たちは,社会がいかに安寧であったか,日々がいかに自由であったかを思い知ることになります.あの緊急事態宣言から半年以上が過ぎ,3密回避が身について,WEB会議にもずいぶん慣れました.しかし,直接顔を合わせて議論・談笑した頃の心はもっと温かだったような気がするのです.
特集は前号に続き「歩行」がテーマです.はじめの「歩くことをどう教えるか」では,運動器疾患の歩行指導に対する総論について,石井慎一郎先生がわかりやすく述べています.また,小玉裕治先生と石田和宏先生には歩行指導の基本について,現場に則した内容でお書きいただきました.部位別の歩行障害の評価と治療については,足部・足関節は越野祐太先生に,膝関節は赤坂清和先生に,股関節は石羽圭先生と永井聡先生に,体幹は藤本鎮也先生に解説していただき,いずれも臨床的な内容となっています.運動器疾患だけでなく呼吸・循環器疾患や慢性疾患,フレイルなどを併せ持つ高齢者については高橋浩平先生が幅広い視点で述べています.最後の「転倒・骨折予防のための歩行評価とアプローチ」では,神先秀人先生,池添冬芽先生,大津創先生から歩行時の転倒に着目して具体的に示していただきました.歩行や転倒予防を専門的に扱う職種は理学療法士だけであることを肝に銘じなければなりません.
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