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編集後記
金谷 さとみ
pp.634
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551101716
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今年の春は雪が降り,寒暖の差が激しく,出勤時に何を着ていけばよいか悩むことが多かった.外来やデイケアに来る方々も同じように悩んだに違いない.皆,様々な家庭で様々な在宅生活を送っているが,このような迷惑なお天気は地域で共通する問題であり,そこから共通する話題となり会話が生まれる.「こんな天気では体調を悪くする」「米と野菜が不作だ」.
医療提供体制の見直しにより,理学療法士は今後ますます「在宅」という新たな場所での技術提供を求められる時代となっている.しかし反面,若年層の理学療法士が多くを占めている現状では,理想的には経験豊富な者が従事するべきだと言われる訪問などの在宅理学療法に年若い者が関わる機会が増えることも否めない.医療機関で長年経験を積んだ理学療法士でさえ初めは在宅高齢者の気持ちに近づくことができず,「苦情」に繋がってしまうことがある.在宅介護は医療現場とはまた違った形での洗練を必要としており,医療現場を中心に成長してきた理学療法は,その質を保つために在宅での理学療法業務を整備しなければならない.
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