臨床実習サブノート どうする? 情報収集・評価・プログラム立案—複雑な病態や社会的背景の症例・9
小児の脳性麻痺患者
中林 美代子
1
Miyoko Nakabayashi
1
1新潟県はまぐみ小児療育センター
pp.1168-1175
発行日 2018年12月15日
Published Date 2018/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201405
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はじめに
中枢神経障害に起因する脳性麻痺(cerebral palsy:CP)児は,肢体不自由児の約半数を占め,理学療法士がかかわることが最も多い疾患です.CPの定義としては,1968年に厚生省脳性麻痺研究班会議で定められたものが現在でもわが国でよく用いられており,「生後4週間以内までの間に生じた脳の非進行性病変に基づく,永続的なしかし変化しうる運動および姿勢の異常である.その症状は満2歳までに発現する.進行性疾患や一過性運動障害または将来正常化するであろうと思われる運動発達遅延は除外する」とされています.国際的には2004年に「脳性麻痺の言葉の意味するところは,運動と姿勢の発達の異常の1つの集まりを説明するものであり,活動の制限を引き起こすが,それは発生・発達しつつある胎児または乳児の脳のなかで起こった非進行性の障害に起因すると考えられる.脳性麻痺の運動障害には,感覚,認知,コミュニケーション,認識,それと/または行動,さらに/または発作性疾患が付け加わる」1)と定義されました.
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