講座 人工知能と理学療法・3
一般社会での人工知能の活用
柴田 千尋
1
Chihiro Shibata
1
1東京工科大学コンピュータサイエンス学部
キーワード:
ディープラーニング
,
画像認識
,
自然語処理
,
敵対的生成ネット
Keyword:
ディープラーニング
,
画像認識
,
自然語処理
,
敵対的生成ネット
pp.1159-1167
発行日 2018年12月15日
Published Date 2018/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201403
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はじめに
近年の人工知能技術の発展は目覚ましいが,その技術革新を支えている最も大きい要因は深層学習技術の急速な発達であると言える.深層学習とは,大規模なニューラルネットを大規模なデータから学習させる技術である.ここで言うニューラルネットとは,人間の脳細胞を計算機上で模した,ニューロンとよばれる多入力一出力の関数を複数組み合わることにより得られるネットワークである(図1).
各ニューロンは,重みとバイアスの2種類のパラメータをもっている.重みとは,ニューロンへ入力させる信号の増幅率を表す値であり,バイアスとは,入力がまったくないときにニューロンへ入力される一定の値のことである.一般に,深層学習が対象としているニューラルネットは,深層ニューラルネット(deep neural network:DNN)とよばれ,複数のレイヤーをもつ多層構造をなしており,レイヤーごとに,数千から多い場合で数百万の重みやバイアスをもっている.またレイヤーの数は,数え方によるが,レイヤーを数学上の写像として捉えた場合,数十から数百程度である場合が典型である.このような非常に多数のパラメータをもった多層ニューラルネットを,学習データにフィットするように最適化するのが深層学習における学習手法である.
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