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特集 脊椎脊髄外科の最近の進歩
Ⅱ.各種疾患に対する治療法・モダリティ
頚椎・胸椎疾患に対する治療
脳性麻痺患者の頚椎手術
-―経験からの学びと対策―
Surgical management for cervical disorder in cerebral palsy patients;countermeasures and learn from experience
三原 久範
1
,
多々羅 靖則
1
,
新村 高典
1
,
関屋 辰洋
1
,
合田 篤史
1
Hisanori MIHARA
1
1横浜南共済病院,脊椎脊髄センター
キーワード:
Cerebral palsy
,
Cervical disorder
,
Surgical management
Keyword:
Cerebral palsy
,
Cervical disorder
,
Surgical management
pp.489-496
発行日 2019年4月30日
Published Date 2019/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000859
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要旨:アテトーゼ型脳性麻痺の二次障害として生じる頚部脊髄症は,診断・治療・後療法の全過程において難題が多い。本症の病態には動的要素の関与が大きいため,静止画像の情報にとらわれず,身体が発する理学所見に注視する必要がある。中下位頚椎病変の手術療法に関しては前後方同時固定を原則としており,後方は棘突起間固定,前方は(連続)椎体間固定を第一選択としてきた。過去35年間には過大な矯正損失や多数の再手術例を経験したが,棘突起を温存したアライメント矯正・椎体間ケージの使用・プレート設置の工夫などによって手術成績は向上している。上位頚椎病変に対する固定術では,特に頭蓋からの長範囲固定で内固定材の破綻を生じる例が多く,全頚椎固定を控えるべきと考えるが,アンカーの固定性や骨移植母床の確保などの課題が残されている。また,本症の治療に際しては脊椎ばかりに気を取られず,呼吸や嚥下機能など全身的な影響にも配慮する必要がある。
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