Japanese
English
講座 言語障害の評価(2)
脳性麻痺―小児
Cerebral Palsy in Childhood.
しお永 淳子
1
Atsuko Shionaga
1
1北九州市立総合療育センター
1The Center of Developmental Medicine and Education in Kitakyushu City.
キーワード:
脳性麻痺
,
言語障害
,
摂食動作
Keyword:
脳性麻痺
,
言語障害
,
摂食動作
pp.651-656
発行日 1984年8月10日
Published Date 1984/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105228
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はじめに
脳性麻痺児の65~90%のものが,程度の差はあるが何らかのことばの障害を持っているといわれている.後に述べるように,脳性麻痺は脳損傷に由来する運動機能障害が,その症状の中心で,言語の面もことばの表出障害がその中核となるが,知能・聴覚・視覚の障害などが加わると,認知過程にも障害がおこり,ことばの理解の発達に影響を与える.脳性麻痺児の言語障害は単一の因子でおこることはほとんどなく,いくつかの障害因子が様様の程度に絡みあうため,その症状は多種多様であるが,これに学習の歪みも加わって,年齢とともに複雑さを増していく.
現われた言語障害に対しては重度化を防ぎ,将来予想される障害はその発生を予防していかねばならない.そのためにはまず注意深い評価が必要である.それによってはじめて個々のケースに即応した系統的な治療プログラムを設定していくことができる.
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