Japanese
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特集 ボツリヌス治療とリハビリテーション
小児脳性麻痺
Botulinum toxin type A in the management of children with cerebral palsy.
朝貝 芳美
1
Yoshimi Asagai
1
1信濃医療福祉センター
1Shinano Handicapped Children's Hospital
キーワード:
脳性麻痺
,
ボツリヌス毒素
,
小児痙縮
Keyword:
脳性麻痺
,
ボツリヌス毒素
,
小児痙縮
pp.859-865
発行日 2012年6月10日
Published Date 2012/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102553
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はじめに
わが国における脳性麻痺へのボツリヌス治療は,2001年に痙性斜頸の適応が許可され開始された.脳性麻痺痙性斜頸の治療報告は諸外国での報告は少なく,脳性麻痺重症例が対象となったため注射部位,投与量など慎重に開始された経過がある.2009年には小児脳性麻痺下肢痙縮に伴う尖足2歳以上(14歳以下)に適応が拡大し,2010年には上肢・下肢痙縮に適応が拡大した.しかし2歳前の下肢痙縮に伴う尖足や15歳未満の上肢痙縮には許可されていない.
小児への投与に関して,添付文書には「2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足以外の適応では小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)」と記載されており,小児への投与に関しては医師の判断により実施されている.痙性斜頸のボツリヌス毒素療法ガイドラインでは短期的な安全性には問題なく,小児に対してもボツリヌス治療を推奨している1).国際的にも2歳以上としている国が45か国と多い.嚥下困難,誤嚥性肺炎,呼吸障害,痙攣発作などの重篤な合併症のある小児例では,投与後,特に1~2週間の十分な観察や少量投与から開始するなどの配慮が必要となる.
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