シリーズ・先天性遺伝性疾患の診断に役だつ検査・5
先天性スフインゴリピドーシスおよびムコ多糖症
折居 忠夫
1
,
市橋 寛
1
,
祐川 和子
1
,
多賀 俊明
1
,
黄 光前
1
,
中村 仁
1
Tadao ORII
1
,
Hiroshi ICHIHASHI
1
,
Kazuko SUKEGAWA
1
,
Toshiaki TAGA
1
,
Huang KUANG-CHIEN
1
,
Hitoshi NAKAMURA
1
1岐阜大学医学部小児科学教室
pp.552-561
発行日 1985年5月15日
Published Date 1985/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912568
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はじめに
本邦における発生頻度は知られていないが,昭和55年度文部省総合研究Aによる遺伝性ムコ多糖代謝異常研究班によるアンケート調査の結果では,解答率は約35%であったが,表1のごとく集計されている.個々の疾患はまれであるとしても,脂質,ムコ多糖代謝異常症(MPS症)を合わせると決して少なくないことが理解されるであろう1).現在,根治療法が無く,そのため可能な限り,患者を早期に診断して,次子が患者として生まれてくる不幸を未然に防止すべきであると考える.
本稿ではスフィンゴリピドーシスとMPS症とについて,検査を主体とした診断への筋道を概説することとする.
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