今月の主題 カルシウム
検査と疾患—その動きと考え方・101
副甲状腺疾患
上久保 啓太
1
,
北田 雅久
1
,
今井 龍幸
1
,
村山 正憲
1
,
安田 圭吾
1
,
三浦 清
1
Keita KAMIKUBO
1
,
Masahisa KITADA
1
,
Tatsuyuki IMAI
1
,
Masganori MURAYAMA
1
,
Keigo YASUDA
1
,
Kiyoshi MIURA
1
1岐阜大学医学部第3内科
pp.543-551
発行日 1985年5月15日
Published Date 1985/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912567
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はじめに
副甲状腺機能異常症は,血清カルシウム(Ca)濃度に真の異常,つまり血清カルシウムイオン(Ca2+)濃度に異常をきたす病態のうち,もっとも主要な位置を占めている.このうち,副甲状腺自体の異常によって副甲状腺ホルモン(PTH)の過剰分泌をきたす原発性副甲状腺機能亢進症は,その頻度も低くなく,また多彩な症状,合併症を呈し,臨床上重要な疾患である.一方,各種の病型が存在する副甲状腺機能低下症では,近年その病態に対する理解が深まり,わが国でも病型診断に一定の規準が用いられるようになってきた1,2).本稿では,これら種々の副甲状腺機能異常症につき,実際の症例を提示し,病態生理との関連からその診断のプロセスを述べる.
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