特集 医療チームとしての栄養部門
栄養士,調理師の病院における専門性の確立
最勝寺 重芳
1
1聖マリアンナ医科大学病院栄養部
pp.895-899
発行日 1978年11月1日
Published Date 1978/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206690
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ごくあたりまえの知識として,病院の食事は薬と同様に大切なものと考えられている.そして一般に,それぞれの患者の病状に適応した食事という配慮がされていると期待されていることも事実である.しかし,その食事内容が,患者の思惑とずれを生じたとき,そこになんらかの評価が下される.そして良い場合より,悪い場合が多い.これは病院内の医療サービスのうちで,食事だけはだれにでも評価できると思われているからにほかならない.このように,病院給食は毎日毎回これを担当する部門の仕事の評価として,病院中の注目の的になっているということができる.いつの食事でも,何百人という人々が,その部門の腕前に直接的・間接的に評価を下しているのである.そして,これらの評価が病院全体の評価にも影響していくことは恐らくまちがいない.つまり,病院給食は他のどのような部門と比較しても,これほどにも病院中に広く関係しているものなのである.したがって,たとえ管理者でも,患者や職員に絶えずこれほど親密な影響を与えることはできないのではないだろうか.
しかしながら,このことがどのくらい病院機能として配慮されているかを考えると,現実にはあまりにも多過ぎるほどの課題をかかえているのである.
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