連載 リレーエッセイ 医療の現場から
生活者視点の「日本人の食事摂取基準2010年版」の活用へ
赤松 利恵
1
1お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科
pp.319
発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101680
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「日本人の食事摂取基準2010年版」が厚生労働省より発表された.これは,健康な個人または集団を対象として,国民の健康の維持・増進,生活習慣病の予防を目的に,エネルギーおよび各栄養素の摂取量の基準を示したものである1).日本では,長い間,栄養摂取量の基準として,「栄養所要量」という言葉が用いられていた.しかし,前回の「2005年版」から,栄養所要量が「食事摂取基準」に代わり,確率論的考え方に基づいた値が示された.今回の策定は,前回に比べ,内容的に大きな変化はなかったものの,より実践現場での活用を強調している.
食事摂取基準の活用はいたってシンプルであり,その過程(以下,4項目)を理解することは容易である.しかし,それぞれの過程で問題点があり,実際は難しい.
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