特集 骨ミネラル代謝と疾患
日本人におけるカルシウム摂取とその異常
石見 佳子
1
1医薬基盤・健康・栄養研究所国立健康・栄養研究所 食品保健機能研究部
キーワード:
Calcium
,
Estrogens
,
Vitamin D
,
栄養必要量
,
栄養調査
,
高カルシウム血症
,
骨折
,
骨密度
,
食品中のカルシウム
,
代謝
,
乳製品
,
栄養補助食品
,
脳卒中
Keyword:
Calcium, Dietary
,
Dairy Products
,
Estrogens
,
Hypercalcemia
,
Metabolism
,
Nutrition Surveys
,
Nutritional Requirements
,
Vitamin D
,
Bone Density
,
Dietary Supplements
,
Stroke
,
Fractures, Bone
,
Calcium
pp.21-30
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.19020/J02201.2017161095
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日常的なカルシウムの摂取が骨の健康維持に重要であることは,多くの研究で明らかにされているが,骨折の予防効果については結果が一致していない.「日本人の食事摂取基準」では,カルシウムの推奨量は成人男性で650〜800mg/day,成人女性で650mg/dayに設定されている.一方,平成26年の国民健康・栄養調査の結果では,カルシウムの摂取量は20歳以上の男女ともに500mg/dayに達していない.国民健康・栄養調査の結果では,乳製品の摂取量は15歳以上で急激に減少傾向を示しており,これはカルシウムの摂取量と相関している.日本人においては乳製品の摂取量と骨密度に関連があることが報告されていることから,積極的に乳製品を摂取することが望まれる.一方,カルシウムサプリメントの摂取は,ビタミンDとの併用で骨折予防効果があることが報告されている.しかし,カルシウムの過剰摂取により,ミルクアルカリ症候群等の健康影響が生じることから,過剰摂取には注意を要する.
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