クリニカル・ヒント
頸髄損傷者の上肢機能評価の視点
黒岩 貞枝
1
1国立療養所村山病院
pp.340
発行日 1987年5月15日
Published Date 1987/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103786
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一般的に治療開始にあたってまず評価がなされ,ROM・筋力・知覚・上肢機能・ADLテストなどが検査用紙の順序に従い,一つ一つていねいに行われ,そこから問題点の抽出,そして治療プログラム立案,治療という手順をとる.だが,時に患者の状態は,急性期や心身の耐久力が不充分だったり,いそがしい現場ではその手順は現実的ではないこともある.そして何よりもうんざりするような,長い検査時間の苦痛から患者を解放しなければならない.そのためには始めからみるべき視点を定め,ポイントをつかんだ的確な評価をしなければならない.また,評価が直接治療に結びつくためにはできる・できないというみかたではなく,どんな援助をすれば,その動作が遂行できるかまでを知る必要があり,それは既に治療である.このように評価と治療は一体で同時に進めていく必要があろう.ではその的確な視点はどのように養うかということになるが,あらかじめ知っておかねばならない知識がある.
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