Japanese
English
研究と報告
頸髄損傷者への車椅子処方
Wheelchair Prescription for Quadriplegic Patients.
里宇 明元
1
,
石黒 隆
1
,
中島 廣志
1
,
野間 清邦
1
,
石田 暉
2
,
千野 直一
3
Meigen Liu
1
,
Takashi Ishiguro
1
,
Hiroshi Nakajima
1
,
Kiyokuni Noma
1
,
Akira Ishida
2
,
Naoichi Chino
3
1国立療養所箱根病院
2東海大学医学部リハビリテーション科
3慶應義塾大学医学部リハビリテーション科
1Hakone National Hospital.
2Department of Rehabilitation Medicine, Tokai University School of Medicine.
3Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine.
キーワード:
頸髄損傷
,
ADL
,
車椅子処方
Keyword:
頸髄損傷
,
ADL
,
車椅子処方
pp.795-800
発行日 1984年10月10日
Published Date 1984/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105263
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まえがき
頸髄損傷者のリハビリテーション(以下リハビリと略す)においては,車椅子の果たす役割は大きく,その処方は,障害の状況を考慮して,適切に行わなければならない.この場合,車椅子の商法の問題を考えるには,以下の観点がありうる.
第一は,人間工学的な観点から,車椅子上の坐位バランス,車椅子の駆動力,車椅子操作時の筋活動などの分析を行う方法で,この方面の研究としては,田中1),安藤ら2)の報告がある.
第二は,運動生理学的な観点から,車椅子操作時のエネルギー代謝の問題を扱う方法で,これには,Cernyらの報告がある3).
第三は,臨床的な観点から,麻痺レベル,リハビリ上の阻害因子,ADLなどとの関連から,適切な車椅子の処方のあり方を考えていく石黒ら4)の方法である.
以上の三つのアプローチは,それぞれ,相補って進められる必要がある.今回,我々は,頸髄損傷専門施設としての臨床経験から,当院に入院後,前医で処方された車椅子が,訓練の進行に伴って処方を変更される例が少なくないという事実に着目し,その分析を行った.その結果,頸髄損傷者への車椅子処方に関して若干の知見を得たので,文献的考察を加えて報告する.
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