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第9回「理学療法と作業療法」賞・受賞論文
準入賞:脳卒中の理学療法プログラムの検討
Basic Considerations in Physical Therapy Programs for Stroke
進藤 伸一
1
,
伊藤 清明
2
,
田村 弘
3
Shinichi SHINDO
1
,
Kiyoaki ITO
2
,
Hiroshi TAMURA
3
1弘前大学医療技術短期大学部
2中通リハビリテーション病院
3沖縄県立南部病院
1School of Allied Medical Professions, Hirosaki, University.
2Nakadori Rehabilitation Hospital.
3Okinawa Prefectural Nanbu Hospital.
pp.884-888
発行日 1984年12月15日
Published Date 1984/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103229
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まえがき
脳卒中の理学療法を行ううえでは,機能障害としての麻痺と能力障害としての日常生活動作(以下ADLと略)障害などの関係を総合的に認識し,それらに対するアプローチをバランスよく行うことが不可欠である.
しかし,片麻痺の異常歩行を改善するため,入院とともに歩行を禁じられた結果,歩行不能になってしまった老人がいる1)など,実際の場面においてはこれらをバランスよく行うことは必ずしも容易なことではない.ここでいうバランスのよい理学療法とは,いくつかのアプローチを強度や時間によって平等に分割すれば良いといったものではなく,必要に応じて重点のおき方を臨機応変に鰍ていくことである.しかし,脳卒中患者の理学療法プログラムを進めていくうえでどういう患者のどういう時期には何に重点をおいてアプローチするのがよりバランスのとれた方法なのか,これまであまり検討ざれてこなかったように思われる.
今回は,このような視点から,脳卒中患者の麻痺の程度とADL障害どの相互関係(構造)を分析し,脳卒中の理学療法プログラム関するいくつかの基礎的事項について検討したので報告する.
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