Japanese
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研究と報告
冬の寒さと雪がおよぼす脳卒中退院患者への影響
How the Cold and Snow of Winter Affect Stroke Patients After Hospitalization
進藤 伸一
1
,
渡辺 淳
1
,
伊藤 清明
1
,
田村 弘
1
,
奈良 英子
1
,
田村 利恵子
1
Sinichi SINDO
1
,
Jun WATANABE
1
,
Kiyoaki ITO
1
,
Hiroshi TAMURA
1
1中通リハビリテーション病院
1Nakadori Rehabilitation Hospital.
pp.975-979
発行日 1981年11月15日
Published Date 1981/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102526
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はじめに
東北地方など,冬の寒さが厳しく雪の積る地方においては,身体障害者が社会生活を営む上で特別な困難性を持っており,これらに対する有効な対応策を持ちえないリハビリテーションプログラムでは,患者のニーズに十分こたえることができないのは当然である.しかし現実には,この冬の寒さと雪の問題に対して,十分な指導や援助を受けないまま退院しているケースは,けっして少なくない.特に冬以外の季節に退院するケースはそうである.
これまで我々は,日常的な経験から雪に強い補装具(SLB,杖など)の必要性を痛感し,それなりに工夫を重ねてきた.雪に強いSLBとして,「スパイク付ブーツ型SLB」1)を試作しているのもそのためである.また杖については,市販されている「アイスピック」註)が有効であることを確認している.しかし,これらの試みは必ずしも患者の実態を把握してなされたものではなく,対策としてもごく部分的なもので,患者のニーズに対して十分こたえているものとは言いがたい.
今回,これらの問題点を改善していくための基礎資料を得るために,当院の脳卒中退院患者に対して,冬の寒さと雪がどのような影響をおよぼしているか調査を行ったので,その結果を報告する.
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