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第7回「理学療法と作業療法」賞・受賞論文
準入賞:作業療法と有用性―アンケートによる患者の意識調査
Efficiencies Occupational Therapy for the Physically Handicapped (Research on Patient's Understanding by Means of Inquiries of Occupational Therapy)
前田 佳子
1
,
松葉 正子
1
Keiko MAEDA
1
,
Masako MATSUBA
1
1虎の門病院分院
1Toranomon Branch Hospital.
pp.879-884
発行日 1982年12月15日
Published Date 1982/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102765
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はじめに
作業療法(OT)は,生活と結びついた活動を通しての身体面・心理面への働きかけであり,障害者を社会生活に適応させるための限りない医療サービスであると考えている.
当院では昭和41年に総合病院の中のOTを開始し,以来,対象者は2,300例以上となっている.この間,我我は機能的OT・日常生活動作(ADL)訓練・心理支持的OTを主体に行い,患者が生活適応能力を獲得できるように訓練,指導してきた.しかし,OT側の目標や方針と患者側の期待や要求が一致しない場合がしばしばある.優れたOT訓練,指導も患者が受け入れ,社会生活の中で生かすことができなければ我々の自己満足に留まると思われる.「OTの訓練が生活のこんな所に役立っている」「OTを受けて良かった」と,患者から良い評価があった時にはじめてOTの有用性が得られるものと考えている.
上肢機能やADL面からの患者の意識調査やリハビリテーションサービスを受けた患者側からの報告はいくつか散見1,2,3)されるが,具体的なOTサービスに関しての患者自身の評価をまとめた報告は,著者らの調べた限り見受けられない.今回,我々はOTの有用性を患者側の評価から把握する目的で,OTサービスとその回復状態に関してのアンケート調査を行い,その結果について考察する機会を得たので報告する.
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