Japanese
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研究と報告
脳卒中患者の身の回り動作自立度スケールの検討
Considering the Need of a Self-Care Ability Scale for Stroke Patients
進藤 伸一
1
,
伊藤 清明
2
,
田村 弘
3
Shinichi SHINDO
1
1弘前大学医療技術短期大学部
2中通リハビリテーション病院
3沖縄県立南部病院
1School of Allied Medical Professions, Hirosaki University.
pp.620-624
発行日 1985年9月15日
Published Date 1985/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518103402
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はじめに
従来,脳卒中患者の能力障害のゴール設定にあたっては,上肢能力や移動能力の自立度によって表現する方法が一般にとられてきた.これは,移動動作が日常生活動作(以下ADLと略)のなかできわめて重要な地位をしめていることから,移動能力が能力障害全体の中心指標1)と考えられていたためと思われる.
しかし現実には,歩行は自立していても入浴に対しては介助が必要であると聞く例は決して少なくなく,歩行の自立をもってADL全体の自立を想定する考え方は修正が必要であろう2).このことは,能力障害のゴール設定において,従来の上肢能力や移動能力とは別に,身の回り動作についての独自のゴール設定が必要であり,そのための自立度に関するスケール化が必要とされているとも言えよう.
しかし,これまで能力障害の自立度スケール3)に関する方法論的研究は,ほとんど行われていない.今回は,脳卒中患者の能力障害を構成する上肢能力,歩行能力,身の回り動作能力が相互にどのような関連性を持っているのか明らかにするとともに,身の回り動作能力の自立度スケールについて検討したので報告する.
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