Japanese
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第8回「理学療法と作業療法」賞・受賞論文
準入賞:理学療法学科学生の心理的諸問題
Some Psychological Problems of Physical Therapy Students
宮本 省三
1
,
板場 英行
Shozo MIYAMOTO
1
,
Hideyuki ITABA
1高知医療学院
1Kochi School of Allied Health and Medical Professoions.
pp.840-848
発行日 1983年12月15日
Published Date 1983/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518102996
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はじめに
教育制度は教育環境として大きな影響力を持つが,特に理学療法士養成校(専修学校・各種学校)における教育環境は,多様な形で学生に「適応(adjustment)」の問題を投げかけている.
この問題を解明し,教育目標を達成するには,教育環境の深い理解と適応や不適応に関する詳細な情報処理が必要となるが,これらの諸要因は流動的因子を数多く含むため,その認識は決して簡単なものではない.しかし,教育環境の及ぼす心理面への影響が,適応条件の中心的役割を果たすことは明らかであり,学生の心理的諸問題を教育環境への適応に還元するという見地から分析することは,学生指導方法の検討に意義深い考慮点を与えるものと考えられる.
そこで,今回は,教育環境への適応に関する心理的背景要因と精神健康度を調査するとともに,不安傾向を1つの指標として表し,性格特性や精神衛生上の問題点など種々な因子との関連性を検索した.不安(anxiety)は,生体におけるストレス防御反応であり1),教育環境への不適応を生ずる重要な因子として位置づけた.
学生の心理特性については,精神分析学的評価による場合が主体であるが,著者らはこのような側面を内省法(introspective method)を通じて検討し,興味ある結果を得たので報告する.
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