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耳鼻咽喉科領域に於けるエルコシン使用について
小倉 脩二
1
,
天野 甲子穂
1
,
岩田 卓
1
,
永沢 篤久
1
,
依田 丈夫
1
1日本赤十字社中央病院耳鼻咽喉科
pp.629-631
発行日 1956年9月20日
Published Date 1956/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201638
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緒言
炎症性疾患に対する治療の白眉として化学療法はドマークに依るProntosilの発見以来実に長足の進歩を遂げて来た。即ちSulfon剤と抗生物質とはその両雄である。抗生物質中最も急性炎症性疾患に愛用且つ汎用されたPenicillinが近年Penicillin allergie特にAnaphylaxie及びCandidaalbicans(俗名Monilia症)の出現に依り多くの臨牀家に安心して使用されなくなつて来た。これに反しSulfon剤は当初よりその副作用に悩まされ,特にAllergieとその白血球減少症を来すことは重要な課題であつて研究は如何に副作用少きSulfon剤を作るかに重点がおかれて来た。そしてSulfapyridin迄はその副作用が相当顕著であつたがSulfathiazol及びSulfapyrimidinに到つてその副作用は殆ど問題にされず,軽度のAllergie-reaktionはあつてもAnaphylaxieの形態をとるAllergieは絶無になり,我々臨牀家は乳幼児,老人にも広く用いるようになつた。我々は今回CibaのElkosinを耳鼻咽喉科領域の炎症性疾患に無差別的に多量に使用して相当の効果を得且つ聊か所見を得たので此処に報告する次第である。
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