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Travelminの末梢迷路に対する影響
内海 貞夫
1
,
真銅 宏
1
,
喜多野 邦夫
1
1奈良県立医科大学耳鼻咽喉科
pp.625-628
発行日 1956年9月20日
Published Date 1956/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201637
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Ⅰ.緒言
所謂抗ヒスタミン剤は,仏国のFourneau et Bovet(1933)に依り初めて研究され,以来多くの製品が作られた。現在の抗ヒスタミン剤は数種の系統に分類出来るが,その作用には抗ヒスタミン作用すなわち抗アレルギー作用が主であり,他に血管緊張上昇作用,アトロピン様作用,平滑筋攣縮緩解作用,中枢及び局所麻酔作川などが挙げられている。
Gay1)(1949)は此の製剤の一つのDramamineが船暈に,Strichland2)(1949)は航空病に有効であると報告して以来,各種の動揺病あるいは加速度病の予防及び治療につき臨床的な効果が注目されるに至つた。Gutner3)(1951)はcold-microcaloric test及びgalvanic-stimulation testをもつて径口投与によるDramamineの影響をはじめて人体で実験した。Harbert and Schiff4)(1950)はDramamineの中枢作用説を発表し,中村敬三5)もそれに賛意を表わしている。
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