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耳鼻咽喉科領域に於ける速効性基礎麻酔剤ミンタールの使用に就いて
小倉 脩二
1
,
天野 甲子穗
1
,
岩田 卓
1
,
永沢 篤
1
1日本赤十字社中央病院耳鼻咽喉科
pp.62-64
発行日 1958年1月20日
Published Date 1958/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201932
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緒言
我々耳鼻咽喉科領域に於ては外来手術で比較的大きく局麻剤のみに頼るには不安なものがある。例えば扁桃剔出術,鼻内篩骨蜂窠開放術,鼻中隔彎曲症矯正術等で手術時の疼痛に対して基礎麻酔剤が必要なのみならず局麻剤(塩酸コカイン,塩酸プロカイン,テトラカイン,リドカイン等)急性中毒に対する或る程度の防禦力,又は手術或いは局麻剤の局部注射の衝撃的刺戟の緩衝的役割としても基礎麻酔剤が必要である。しかも速効にして速醒の基礎麻酔剤は特に外来手術に於ても最も緊要な薬剤である。この点我々は今迄はラボナール錠の服用,フエノバルビタールの筋注,冬眠療法のクロールプロマジン(ウインタミン,コントミン)等を使用して来たが,何れも比較的浅く且つ長いので短時間で或る程度の深さを要する手術には満足が得られず,割合にオピウム剤を相当量使用すれば入院を余儀なくされ,又麻薬としての取扱いもせねばならなかつた。而る時このミンタールにより安全且つ充分な基礎麻酔を施行しえたのでここに報告する。
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