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コンドロンの耳鼻咽喉科領域に於ける使用経験例
桜井 正夫
1
,
石川 次郎
1
1岩見沢市立病院耳鼻科
pp.637-639
発行日 1959年8月20日
Published Date 1959/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492202300
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口腔並びに上気道粘膜の急慢性疾患中,その発生機転,原因不明にして,各種治療に対し抵抗を示す各種口内炎を始め一群の疾患が認められるが,現在刺激,ビタミン,アレルギー,ビールス等が各原因と考えられる説とこれに対応する各治療法の進歩と共に徐々に解明されつつあるが,未だに今後の研究による所の多いという事は当面する我々としても非常にその治療策に困却する所である。
コンドロイチン硫酸は人並びに動物体の一大成分たる結合組織の重要成分をなし,これの化学的成分は高分子のポリサツカリード酸であり,これの耳鼻科並びに各科臨床使用例報告も多くなされている。ストマイによる副作用及び難聴に対しては志多氏が詳細な報告をしており,又,当科における使用例に於いても目下実験継続中なれど相当効果あることは疑いない。今回コンドロイチン硫酸(商品名,コンドロン注並びに顆粒)の試供を受けたので結合組織,粘膜に対し修復作用のあるのに注目し,これを前記の如き各種上気道疾患に対し使用し認むべき結果を得たのでここに大略を報告し諸賢の御追試,御批判を仰ぎたい。
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