--------------------
副鼻腔炎に対するNagarseの使用について
岡部 剛二
1
,
小倉 脩二
1
,
田中 郁朗
1
,
天野 甲子穗
1
,
岩田 卓
1
,
永沢 篤久
1
,
依田 丈夫
1
1日赤中央病院耳鼻咽喉科
pp.659-662
発行日 1955年11月20日
Published Date 1955/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201434
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
我々生物はその生の現象を殆んど酵素の力に依つていると言つても過言ではない。例えば食物の消化吸收から白血球の喰菌作用に到る迄酵素に依る所は大である。
従つて疾患の治療に多くの純化学藥品,抗生物質の使用されている現在,之等疾患に酵素の使われるのも亦当然の理であり,むしろ生本来の姿からすれば過去の無数の藥品に比べれば自然の形態として今後の発達を期待すべきと考える。今日耳鼻咽喉科領域に於いて最も大きな問題である副鼻腔炎特に慢性のものに蛋白分解酵素であるNagarse(帝国化学産業株式会社提供)を66例について使用してみた。本年3月医学総会に西村氏,又今年耳鼻咽喉科8月号に名古屋の後藤教授がTrypsinについて発表されているが聊かその観点を異にしているので此処に報告する次第である。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.