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耳鼻咽喉科領域におけるS. methomidine(メトファジン)の使用経験
小倉 脩二
1
,
岩田 卓
1
,
永沢 篤久
1
,
横川 弘蔵
1
,
木村 繁
1
,
川上 頴
1
1日本赤十字社中央病院耳鼻咽喉科
pp.415-420
発行日 1963年5月20日
Published Date 1963/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492203053
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Ⅰ.緒言
近代化学療法の基が,1932年DomagkによるProntosilの発見によつて創められて,以来30年その間細菌感染化学療法剤としてのサルファ剤はその有効成分-para-amino-sulfond〈Tréfouel〉のN1置換体によつて,より有効な,より副作用の少いサルファ剤が現れすばらしい発展がみられた。FlemmingによるPenicillin(1940),1948年Streptomycin,1948年Chloramphenicol Tetracyclineなどの抗生物質の出現で,サルファ剤中心の化学療法も抗生物質のそれに移つた感があった。が最近Shockの問題,耐性菌などの点から,サルファ剤が再検討されるようになり,1956年Lederle社からS. methoxypridazineが,従来のサルファ剤に優るものとして注目をあび,いわゆる持続性サルファ剤として登場して以来,その持続性などの優れた点について研究がすすめられ,種々の持続性サルファ剤がみられるようになつた(第1図参照)。
今回持続性サルファ剤の一つとして国産の新サルファ剤(S. methomidine 薬品名メトファジン)を臨床的に使用する機会を得たのでその結果を報告する。
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