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長時間局所塗布麻酔薬オノカイン軟膏の効果について
寺山 吉彦
1
,
黒田 隆
1
,
佐々木 享
1
1北海道大学医学部耳鼻咽喉科教室
pp.631-634
発行日 1956年9月20日
Published Date 1956/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492201639
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緒言
皮膚或は粘膜における潰瘍及びびらんによる持続性疼痛は,患者にとり極めて苦痛であるが,之等に対して従来主として行われた方法は,全身的には鎮痛剤殊に麻薬類,及び局所的にはアミノ安息香酸エチル(アネステジン)等の投与であつた。然し,之等は副作用,持続時間,取扱いの繁雑等の点で満足すべきものは見当らなかつた。
然るに,最近局所麻酔薬オノカインが,塗布麻酔薬として優れた効果を有する事が,堀口,中村,山脇の諸氏によつて発表され,更に今回小野薬品工業より之を水溶性軟膏ソルベースに溶解したオノカィン軟膏を提供されたので,之を潰瘍性及びびらん性疼痛寛解に使用の目的で,基礎実験並びに臨床上の応用を試みた所,良好な結果を得たのでここに報告する次第である。
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