Feature Topic 最期の最後のがん診療
最後が終わったあとで
マインドフルネスを活用したセルフメンタルケア
朴 順禮
1
1慶應義塾大学看護医療学部
pp.434-437
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200225
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「もう十分です。少し静かに休みたいんです……」かすれた声でとぎれとぎれにゆっくりと話すKさんの突然の言葉に、心がざわつくのを感じました。死を目前にして苦しむKさんが終末期鎮静を求めたことに、驚きと戸惑いを感じました。“本当にこれでよいのだろうか……、そんなに辛い思いをしているなんて……、これまでのケアが間違っていたのかしら……”と、一瞬にしてさまざまな考えで頭がいっぱいになりました。胸が締め付けられ言葉をなくし、それでもなんとか踏みとどまりKさんのそばにいると、やがて視界が曇ってくるのを感じました。“泣いてはいけない……”と、自分の感情を否定することだけに必死になっていました。
—ある看護師の語り
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