特集 マインドフルネスを医療現場に活かす
実践を学ぶ
患者のためのマインドフルネスの実践
朴 順禮
1
1慶應義塾大学看護医療学部
pp.36-42
発行日 2018年2月15日
Published Date 2018/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200254
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はじめに
がん患者へのケアとしてマインドフルネスの効果が初めて報告されたのは、2000年マインドフルネスストレス低減法を用いたカナダでの介入研究1であった。その後、がんとマインドフルネスに関連した報告は大幅に増加し、2017年11月時点において80件/年を超えるようになった。これはマインドフルネスに関連した報告全体の約10%に当たる。急激な増加の背景には、マインドフルネスに関するエビデンスが蓄積されてきたことは言うまでもない。しかし、その根底にはがんに伴う苦痛が身体的側面のみならず、心理・社会的、スピリチュアリティなどさまざまな側面に及ぶことや、患者が予測不可能な人生の局面に立たされ、死という実存的な苦悩に直面することから、生きる意味を模索するうえで活用できるよき杖となるものが求められているのかもしれない。ここでは、がん患者への心のケアの一環として実施しているマインドフルネス教室の実際と、マインドフルネスを体験した患者の変化やその効果も合わせて述べたいと思う。
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