特集 在宅でケアする人にも役立つ マインドフルネス入門
—ケアする人のセルフコンパッションを高める—マインドフルネスのエビデンス
秋山 美紀
1,2
,
菅原 大地
3,4
1東京医療保健大学
2慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究所
3筑波大学大学院人間総合科学研究科
4日本学術振興会
pp.196-201
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200652
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ケアする人にはセルフコンパッションが必要
ケアをする人が抱える精神的な問題を考えるにあたり、まず、ケアとは何かから考えてみたいと思います。ケア(care)の語源は、sorrow(悲しみ)complain(訴え、泣き言)といわれています。その語源からわかるように、ケアとは、悲しみや不安のある人に対して注意を向け、感情をこめて何らかの手を差し伸べるかたちで、思いやりをこめてその人の可能性を助長させる癒しです*1。
このため、ケアを仕事とする看護職・介護職は、思いやりや強さを期待されます。また、苦しんでいる人を目のあたりにすると「なんとかしてあげたい」と思います。けれど、「なんとか」「できない」ときもあり、無力感を感じることもあるでしょう。訪問先で1人で看護や介護を行なうなかで、不安が押し寄せるときもあるかもしれません。ときには、利用者さんの言動に腹が立つこともあると思います。そのようなときに、期待される姿と現実とのギャップに自己嫌悪に陥ったりすることもあるかもしれません。
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