特集 在宅でケアする人にも役立つ マインドフルネス入門
臨床にもセルフケアにも、スタッフケアにも活かされるマインドフルネス
栗原 幸江
1,2
1がん・感染症センター都立駒込病院緩和ケア科
2NPO法人マギーズ東京ヒューマンサポート
pp.202-207
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688200653
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私がマインドフルネスに取り組んだきっかけは、自分にとって必要に迫られたからでした。マインドフルネスとの出会いは18年前、アメリカで終末期のがん専門病院に勤めていたころのことです。そこでは、(緩和医療専門病院に転院したとはいえ)自分の病状や置かれた状況について、まだ気持ちがついていけていない方たち、死の恐怖や孤独感を抱える方たち、生きる意味を見失い苦悩する方たち、ご家族との間に葛藤を抱える方たちと日々向き合っていました。
当時はまだ臨床経験も浅く、日々の臨床現場での心理的な負荷が大きく、心を落ち着けるために座禅を組みに行ったりしました。座禅を組んで、呼吸を意識していると、すごく忙しく働いていた自分の頭が、だんだんと静かになっていくことを感じることができるようになり、その静かな時間を確保することによって気持ちを切り替えることができて、新たな気持ちで翌日からの仕事に向かうことができました。
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