Japanese
English
症例報告
特異な画像所見を呈した膵悪性腫瘍の1例
A Case Of Pancreatic Signet Ring Cell Carcinoma
岩野 博俊
1
,
真口 宏介
1
,
中原 和之
1
,
高橋 邦幸
1
,
潟沼 朗生
1
,
小山内 学
1
,
浦田 孝広
1
,
松崎 晋平
1
,
土屋 貴愛
1
Hirotoshi IWANO
1
,
Hiroyuki MAGUCHI
1
,
Kazuyuki NAKAHARA
1
,
Kuniyuki TAKAHASHI
1
,
Akio KATANUMA
1
,
Manabu OSANAI
1
,
Takahiro URATA
1
,
Shinpei MATSUSAKI
1
,
Takayoshi TSUCHIYA
1
1手稲渓仁会病院消化器病センター
1Center for Gastroenterology,Teine-Keijinkai Hospital,Sapporo
キーワード:
膵悪性腫瘍
,
印環細胞癌
,
画像診断
Keyword:
膵悪性腫瘍
,
印環細胞癌
,
画像診断
pp.489-495
発行日 2007年9月15日
Published Date 2007/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100614
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要旨 患者は50歳代,男性.近医にて膵腫瘤を指摘され紹介入院となる.USでは内部に無エコー域を有する充実性腫瘤として描出され,CTでは充実部の遅延濃染を認めた.MRIのT2強調像では内部のstrong high intensityがみられた.EUSでは充実部分は比較的均一な低エコーであり,辺縁は一部結節状を呈していた.周囲脈管は圧排され,膨張性発育を示し,内部に囊胞化を有する腫瘤と診断した.ERPでは膵頭体移行部になだらかな狭窄を認め,一部に硬化所見を認めた.ブラシ擦過細胞診でclass Vであった.充実部のエコー輝度が通常型膵癌に比べやや高く,内部に囊胞化を有する膨張性発育を示す腫瘍であり,膵管狭窄の程度が軽度であったため,特殊型膵癌と診断し,膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的には,内部壊死を伴う低分化型管状腺癌であった.
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