Japanese
English
特集 IPMNと通常型膵管癌の合併は稀か?
主題症例
IPMNと通常型膵管癌が隣接して存在した3例―画像所見と病理
The Three Cases of Intraductal Papillary-Mucious Neoplasm(IPMN) Concomitant of Closely Developed Ductal Carcinoma of the Pancreas
松崎 晋平
1
,
真口 宏介
1
,
高橋 邦幸
1
,
潟沼 朗生
1
,
小山内 学
1
,
中原 和之
1
,
浦田 孝広
1
,
岩野 博俊
1
,
土屋 貴愛
1
,
安保 義恭
2
,
野路 武寛
2
,
篠原 敏也
3
Shinpei MATSUSAKI
1
,
Hiroyuki MAGUCHI
1
,
Kuniyuki TAKAHASHI
1
,
Akio KATANUMA
1
,
Manabu OSANAI
1
,
Kazuyuki NAKAHARA
1
,
Takahiro URATA
1
,
Hirotoshi IWANO
1
,
Takayoshi TSUCHIYA
1
,
Yoshinori ABO
2
,
Takehiro NORO
2
,
Toshiya SHINOHARA
3
1手稲渓仁会病院消化器病センター
2手稲渓仁会病院消化器病センター外科
3手稲渓仁会病院消化器病センター病理
1Center for Gastroenterology,Teine-Keijinkai Hospital,Sapporo
2Department of Surgery,Center for Gastroenterology,Teine-Keijinkai Hospital,Sapporo
3Department of Pathology,Center for Gastroenterology,Teine-Keijinkai Hospital,Sapporo
キーワード:
IPMN
,
通常型膵管癌
,
IPMNと通常型膵管癌の併存
Keyword:
IPMN
,
通常型膵管癌
,
IPMNと通常型膵管癌の併存
pp.363-371
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100598
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要旨 [症例1]は70歳,男性.膵頭部と尾部に分枝拡張病変がみられ,分枝型IPMNの多発と診断.拡張分枝径が30 mmを超え腺腫以上と判定した.半年後のCTで膵頭部の拡張分枝部に充実性腫瘤像が出現し,肝転移がみられた.経過からIPMN由来浸潤癌,肝転移と診断し抗癌剤治療を行ったが効果が得られず,2か月後に死亡した.剖検病理で浸潤性膵癌(腺扁平上皮癌)と上皮に異型性の乏しいIPMNがみられ,両者の移行像を認めないことからIPMN(分枝型,mild atypia)と通常型膵癌の併存と最終診断した.[症例2,3]は62歳と71歳の男性,閉塞性黄疸にて紹介となる.膵頭部にIPMN病変がみられるが,拡張分枝内には乳頭状隆起を認めず,近傍に充実性腫瘤像がみられることから,術前に分枝型IPMNと通常型膵癌の併存と診断し,膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的にも,両者は接して存在するものの,IPMNの上皮には異型性が乏しく,かつ移行像を認めないことから併存と最終診断した.
IPMNと通常型膵癌が隣接して存在し,IPMN由来浸潤癌との違いを検討するうえで,重要な症例と考え報告する.
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