Japanese
English
特集 いま,胆道鏡検査 PTCS・POCSを見直す
胆道鏡の今後の展望
Perspective of cholangioscopy
真口 宏介
1
,
小山内 学
1
,
潟沼 朗生
1
,
高橋 邦幸
1
,
一箭 珠貴
1
,
土屋 貴愛
1
,
栗田 亮
1
,
深澤 光晴
1
,
金 俊文
1
Hiroyuki MAGUCHI
1
,
Manabu OSANAI
1
,
Akio KATANUMA
1
,
Kuniyuki TAKAHASHI
1
,
Tamaki ICHIYA
1
,
Takayoshi TUCHIYA
1
,
Akira KURITA
1
,
Mitsuharu FUKASAWA
1
,
Toshifumi KIN
1
1手稲渓仁会病院消化器病センター
1Center for Gastroenterology, Teine-Keijinkai Hospital, Sapporo
キーワード:
胆道鏡
,
経皮経肝胆道鏡(percutaneous transhepatic cholangioscopy:PTCS)
,
経口胆道鏡(peroral cholangioscopy:POCS)
Keyword:
胆道鏡
,
経皮経肝胆道鏡(percutaneous transhepatic cholangioscopy:PTCS)
,
経口胆道鏡(peroral cholangioscopy:POCS)
pp.437-441
発行日 2008年9月15日
Published Date 2008/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100077
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要旨
胆道鏡の中心はPTCS(percutaneous transhepatic cholangioscopy)であったが,低侵襲性の観点,内視鏡技術の向上,機器の進歩によりPOCS(peroral cholan-gioscopy)に移行してきた.また,外科手術手技の向上と門脈枝塞栓術の普及により,定型的な肝切除術が行われるようになり,胆管癌の進展度診断のポイントとドレナージ法が変化してきたことに加えて,肝門部・上部胆管癌には表層進展を示す例が少ないことが判明し,PTCSの件数は明らかに減少した.ただし,POCSの施行には,乳頭処置を要し,必ずしも容易とはいえず,適応例は限られる.現状において胆道鏡が必要な病態としては,胆管内の良・悪性の鑑別が問題となる小病変,中・下部胆管癌で肝内胆管枝までの表層進展が疑われる例,肝内胆管狭窄を伴う肝内結石,砕石困難な結石などである.
今後に期待するものとして,手術室と内視鏡室の内視鏡観測装置を同じものとし,より細径の電子PTCSの開発が求められ,その実現により,将来の“低侵襲性手術治療”の一端を担う可能性がある.POCSには,さらに細径で高い観察能を保ち,操作性が良く,直視下生検が可能で,耐久性を備え,かつ安価なスコープの開発が望まれる.技術的に高いハードルであるが,“低侵襲性検査法・治療法”の確立に向けて取り組むべき価値のある課題と考える.
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