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あとがき
下畑 享良
pp.1322
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416202238
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企画をさせていただいた連載「脳神経内科領域における医学教育の展望—Post/withコロナ時代を見据えて」が,来月の第16回をもって終了となる。医学教育学がなぜ必要か? これまで現場の医師は,学生や若手医師を教えるための技術や理論を学ぶ機会をほとんど与えられず,突然,上司から指導や講義を任され戸惑いながら行ってきた。頼りは自身の過去の学習体験になるが,学習者のタイプもさまざまであるため,自身の経験が必ずしも学習者に役に立つわけではないことに思い至る。つまり指導医は自己流の指導法に頼る状況を脱却する必要があり,そのために医学教育学を学ぶことが必要なのである。
しかし脳神経内科領域の教育は難しい。理由として,第1に神経解剖学/神経科学が複雑で,臨床科目にたどり着く前に苦手意識を持つ者が多いこと,第2に教える側も広範な領域を限られた時間で,いかに何を教えるかという難しい問題を抱えていること,第3に問診や診察が重要な診療科であるにもかかわらず,コロナ禍の対面教育が困難な状況の影響が直撃していることが挙げられる。
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