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あとがき
下畑 享良
pp.1394
発行日 2020年12月1日
Published Date 2020/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201702
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「2040年問題」という深刻な課題がある。2025年には,団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)に達し,医療や介護の必要性が急増すると予測されているが,さらに2040年には,65歳以上の高齢者の人口が最大になるとされる。
2018年5月に政府が発表した「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」によると,医療や介護,年金などの社会保障給付費が190兆円,2018年の1.6倍になると予測されている。2040年には,高齢化により世界的に見てもパーキンソン病患者が激増すると予測されているように1),疾患の構成にも大きな影響が生じ,認知症,脳血管障害,神経変性疾患を患う高齢者はさらに増加するだろう。いまから20年後,日本の医療や社会は維持できるのだろうか。医療による対策として重要なのは,健康寿命を伸ばし,要介護率を減らすことである。これはまさに認知症,脳血管障害,神経変性疾患,転倒・骨折・運動器障害の進行を抑制し予防することであり,脳神経内科医の果たす責任はより重いものとなる。
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