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あとがき
下畑 享良
pp.1406
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201960
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2021年最後の特集として「芸術家と神経学」をお届けする。本特集は,編集会議において,年に1回クリスマス企画として,編集委員自身が書きたいものを書く機会があってもよいのではないか,そうすれば各編集委員のひととなりを読者に知っていただけるのではないかとのアイデアが出て,企画されたものである。具体的なテーマとしては,各自が紹介したい「芸術家と神経学の関わり」を執筆するのがよいだろうということになった。私は大好きなゴッホについて,愉しみながら書かせていただいた。
あとがきを書くために,いち早く,すべての原稿を拝読したが,本当に面白く,あっという間に読み終えた。さまざまなことを感じたが,まず各編集委員のそれぞれの芸術家や作品に対する深い愛情を感じた。そして優れた文学,音楽,美術といった芸術と神経学には深い関わりが生じ得ること,つまり神経疾患を患った芸術家において,その疾患は芸術家やその作品に大きな影響を及ぼす一方,反対にその芸術家や作品がのちの神経学に影響を与える事例も数多くあることがわかり,大変興味深かった。また偉大な芸術のそばには主治医として脳神経内科医がいて,芸術家やその作品に少なからぬ影響を与えていたこともわかった。
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