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あとがき
神田 隆
pp.298
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201757
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COVID-19の蔓延からもう1年になります。診療の最前線で奮闘しておられる先生方も,一歩後方で診療にあたられている先生方も,非日常として捉えていた日々の活動の在り方が徐々に日常となっていくのを実感されているものと思います。10月号のCOVID-19特集はいかがだったでしょうか。他誌に先駆けて先生方に新型コロナウイルス感染症の神経学に関する情報をお届けできたのは編集主幹冥利に尽きますが,一方,重症者が日々増加するにつれ,回復後も神経学的後遺症に悩まされる患者さんがクローズアップされてきています。本誌の読者の先生方は最新の情報のキャッチにぬかりはないと存じます。COVID-19診療のベースとしてこの特集号をこれからも活用していただきたいと念願しています。
私は飛行機で長時間座っているのが好きではないので,外国での仕事は極力少なめにしていましたが,それでも年2〜3回の国外出張はこの20年余り常態でした。この1年間で欧米での国際学会やビジネスミーティングはすべてネットを使った電子会議に様変わりし,自分で外国に赴く機会は0になっています。身体は楽でよいのですが,話し合いを持つ相手との言語外の部分を断たれた形でのコミュニケーションという新日常に,まだ十分に慣れることができないでいます。コンピューターの前に座って,限られた視覚情報の上に乗っかって溢れるように送られてくる英語は本当に疲れますね。読者の先生方もそういう感覚はお持ちにならないでしょうか。私は自分では決して英語が下手なほうだとは思っていませんが,母国語と英語を同じレベルで操れる方は本当に羨ましいと,ネットでの国際会議のたびに思います。
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