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あとがき
森 啓
pp.1412
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201205
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「されど主訴」
本特集号では,難解な事例の多い脳神経系疾患に関連する主訴に沿った診断をどのように導き出すのかという臨床医一般の疑問について,脳画像診断という視点から丁寧な説明と多数の図表を含む原稿を集めることができた。その結果,悩みの多い諸症例の具体的症例を取り上げる中で確定診断に至る主訴そのものについての意義を探る座右の書ともなるべき解説本となっている。
さて,読影力とは何か? 脳画像を精緻に読み解く技術,知識と思いきや,カルテに書かれた主訴等の臨床所見を精読することを指摘する放射線科医が多いことに気づく。臨床の場では,患者の話に耳を傾ける,患者の主訴に学ぶとは頻繁に言われていることであるが,実は患者と触れあって話をする機会が限られた放射線科医がカルテに書かれた主訴に耳を傾けていることが多く,病院の中央部門として各診療部門には欠かせないパートナーであることは言うまでもない。
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